RASEN

私利私欲の尻に敷かれて

政治屋は弱き者に目もくれず

ひたすら金に腰を振る

人は燃えたら同じ骨

白い髑髏しか残らないのに

人種とか思想とか宗教の違いで殺し合う

1発の銃声が鳴り響けば

あっという間に奈落の底へ堕落していく

仮想空間に仮装野郎が蔓延し

不安だらけの世界は不満だらけで一杯だ

 

彼はそんな愚痴をこぼして

孤独と恐怖に震えながら旅へと出掛けた

新たなる世界への扉を開ける為に

そこに何があるのか分からない

誰が待つのか分からない

黒く塗られた望みを絶つ為に

ほんの小さな夢と一筋の小さな光が

ただただぐるりと螺旋を描いていた

 

=渡部AL弘道=